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古今和歌集8
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二条のきさきのとう宮のみやすんどころときこえける時、
正月三日おまへにめしておほせごとあるあひだに日てりながら
雪かしらにふりかかるけるをよませ給ひける。
       文屋(ふんやの)やすひで

春の日の ひかりにあたる 我なれど
かしらの雪と なるぞわびしき

二条の后がまだ東宮の御息所とよばれていたとき、
正月三日に私を御所に呼び出してお言葉を下される間に、
日は照っているのに、雪が頭上に降りかかっていた光景を
およませになった歌。

春に光が当たっている私だが、このように雪が降りかかり、
髪も白くなるのがわびしいことである。

これも前半を空け、一行目を左へわざと倒してみた。
古典の中にはほとんど見ることのない構図だが、
昭和の大坪藍海という書家が試みていて、気に入っていた。
左へ倒すのはタブーとされているので、現代の書家で試みるものは
ほとんどいないだろう。
芸術にタブーはない。面白いと思うことを試みていい。
そこに遊びが生まれ、興が湧いてくる
by mteisi | 2010-04-16 20:28 | 古今和歌集


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