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草書
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良寛の書より抜粋  不・平・息・絲・青・帰・暁・念・辞・精
ふの傾きがとても変・これは普通だが面白い・自と心の関係が不思議、自もこれでいいのか・最高簡略・思ったよりも点画が離れる・これもありか・これも字典にはない・こんな形は良寛しか思いつかない・これもへん・月が一棒に変身、筆順も微妙

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私が読んだのではないが、黄山谷は草書を30年研究したといったということが伝わっている。前例を知って読んで書けるようになるのに30年はかからない。自分が気にいる形を作り上げるということだろう。たぶんそうして作られたものは、とても読みにくいものになるのではなかろうか。黄山谷の李白懐旧遊詩巻にある文字の中に伏見仲敬氏の「角川書道字典」の中に収録されてないものが結構あるが、そのような字の正誤はどう判断するのだろうか。
良寛の書も字典にない草書を見つけることが出来る。良寛は誤字をよく書いているといわれるが、はたして誤字なんだろうか。良寛は意識して省略したのではないかと考えている。草書は楷書のように決定される形がない。一字の中にいろいろな形がある。文字の歴史は変化の歴史であるから今現在も新たな形を生みだしてもいいのではなかろうか。草書は用の美としては不向きだが、抽象的な遊びにはもってこいの造形であろう。
by mteisi | 2010-09-14 07:30 | 書について


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