am7:00☆
白っぽい山際から深い空の色へ。
亭子院の御屏風のゑに、河わたらむとする人ももみぢのちる木のもとに、
むまをひかへたてるをよませたまひければ、つかうまつりける
立ちとまり見てをわたらむもみぢばは
雨とふるとも水はまさらじ
亭子院の御屏風の絵に、川を渡ろうとする人が、紅葉の散る木下で、
馬の手綱をひかえて立ちどまっている場面があったのを、
上皇がお詠ませになったので、詠んで奉った歌。
馬をとどめて、美しい紅葉をよくながめてから渡ることにしょう。
たとえ紅葉が雨のように降り散っても、川の水かさが増して
渡れなくなる心配はないであろうから。