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グレーの空に白いかたまりが。
あひしれるける人のこしのくににまかりてとしへて京にまうできて、
又かへりかる時によめる。
凡河内みつね
かへる山なにそはありてあるかひは
きてもとまらぬ名こそありけれ
前から知り合いであった人が越の国(北陸地方)に下っていて数年たって都に上って来て、
ふたたび越の国に帰っていった時に詠んだ歌。
越の国の帰る山は、いったいその山があって何のかいがあるのか、
何のかいもないではないか、いや、越の国にある意味は、
越に帰って来ても都にとどまらないで、
ふたたび越の国へ帰るという名であったよ。