道常無爲、而無不爲。
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萬物將自化。化而欲作、吾將鎮之以無名之樸。
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道は常に無為にして、而(しか)も為さざる無し。
万物、将に自ずから化せんとす。化して欲作(おこ)らば、
吾れ将に之を鎮むるに無名の樸(はく)を以てす。
道はいつでも何事も為さないでいて、
しかもすべてのことを為している。
万民はおのずと感化されるであろう。
万民が感化されて、それでも欲望を持ち始めるようならば、
名を持たない樸(あらき)によってそれを鎮めるのだ。
字統には
樸 ボク・ハク あらき・きじ・もと・すなお
材木の生地をいう。とし、
老子の第一九章と第三二章の例をとって、
ものの至純なる状態をいう。
としている。
だが、至純であることはとても困難。