人気ブログランキング | 話題のタグを見る
老子第八十一章
老子第八十一章_c0169176_6232883.jpg

信言不美、美言不信。善者不辯、知者不博、博者不知。
聖人不積。既以爲人、己愈有。既以與人、己愈多。
天之道、利而不害。聖人之道、爲而不争。

信言は美ならず、美言は信ならず。
善なる者は弁ぜず、弁ずる者は善ならず。
知る者は博(ひろ)からず、博き者は知らず。
善人は積まず、既(ことごと)く以て人に爲(ほどこ)して、
己れ愈(いよ)いよ有り。
既く以て人に与えて、己れ愈いよ多し。
天の道は利して害せず。
聖人の道は為して争わず。

本当の言葉は華美ではなく、
華美な言葉は本当ではない。
本当の弁論家は弁舌が巧みではなく、
弁論が巧みな者は本当の弁論家ではない。
本当の知者は博識ではなく、
博識な者は本当の知者ではない。
聖人は何もためこまない。
なにもかも人々に施しつくしながら、
自分はますます充実する。
なにもかも人々に与えつくしながら、
自分はますます豊かになる。
天の道は恵みを与えるだけで損なうことはなく、
聖人の道は何もかも為して争うことはない。

老子最後の言葉。
今の現状の中で何をすればいいのか、
何をしない方がいいのか、
この選択はとても難しい。
ただ思うのは、
私が美しいと思うものが、
この世からどんどん無くなっていくことは確かで、
現実の空しさを感じる。
でも、とにかく自分は、
美しいと思うものを
書くしかない。
それが、美しいかどうかは
知ったことではない。
勝手にしやがれというところか。
by mteisi | 2012-03-28 06:56 | 老子


<< アフリカの音      古今和歌集663 >>