塞下曲二首其二
常建
北海陰風動地來 明君祠上望龍堆 髑髏盡是長城卒 日暮沙場飛作灰
塞下曲二首其二 さいかきよく
常建
北海陰風地を動かして來たる 明君祠上龍堆を望む 髑髏盡く是れ長城の卒 日暮沙場飛んで灰と作る
北海からの陰気な北風がごうごうと地をどよもして吹いてくる。王昭君を祭る祠のあたりから、白龍堆のうねうねした沙丘が望まれる。ここかしこにころがっている髑髏は、みんな萬里の長城を築き、守り、戦ってきた代々の兵卒の朽ちたくされた骨だ。とれが日暮れがた、寒い烈風に吹き飛ばされて、やがて沙漠の上で灰になって飛び散ってゆく。