二之三
吾食也執粗而不臧、爨无欲清之人、今吾朝受命有飲冰、我其内熱興、吾未至乎事之情、而既有陰陽之患矣、
吾れ食には粗を執りて臧(よ)からず、爨(さん)には清(すず)しきを欲するの人なきに、今、吾れ朝に命を受けて夕べに冰をのむは、我れ其れ内に熱せるか。吾れ未だ事の情に至らずして、而も既に陰陽の患いあり。
私の食事は、粗食主義でぜいたくは料理は食べず、炊事にも、召使いが熱気をさけて涼みたがるほどのことは、していません。それなのに、いま私の朝のうちに命令を受けたばかりで、夕方には[体調が熱くなって]氷を飲んでいますが、これは[決して栄養のとりすぎではありませんから、]心労のために体内に熱がこもったのでしょう。してみると、私はまだ当の仕事の実体にぶつからないうちから、早くも心労のために病気にかかるという害にあっているわけです。