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詩経33
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邶風
柏舟
其一
汎彼柏舟 亦汎其流  汎たる彼の柏舟は 亦汎として其れ流る
耿耿不寝 如有隱憂  耿耿として寢ねられず 殷憂有るが如し
微我無酒 以敖以遊  我 酒無きに微ず 以て敖し以て遊ばん
ただよい浮かぶあの柏舟は よるべなきわが身の如くにただようて流れゆく
心の憂いに眼が冴えて睡れもせぬ 何かの深い心配が胸の中を痛みつける
酒がないわけではなう せめて酒でも飲んで憂いを掃って遊ぼう

我心匪鑒 不可依茹  我が心鑒に匪ず 以て茹るべからず
亦有兄弟 不可以據  亦兄弟有れども 以て據るべからず
薄言往愬 逢彼之怒  薄か言に徃いて愬ふれば 彼の怒りに逢ふ
わが心は鏡ではないから 人の心を測り知ることはできぬ
われにも亦兄弟がるから 依り頼ることはできぬ
いささか徃いて訴えても かえって怒られてしかられる

我心匪石 不可轉也  我が心石に匪ず 轉ずべからざるなり
我心不席 不可巻也  我が心席に匪ず 巻くべからざるなり
威儀棣棣 不可選也  威儀棣棣として 選ぶべからざるなり
わが心は石ではないから 転ばして変えることはできぬ
わが心は席だはないから 巻いて丸めることはできぬ
立ち居振る舞いをつつしんで そしりを受けることのないようにしている
by mteisi | 2017-09-08 13:21 | 詩経


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