カテゴリ:唐詩選七絶( 233 )
蘇東坡
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遊三游洞

 蘇東坡

凍雨霏霏半成雪 游人屨冷蒼苔滑 不辭攜被巌底眠 洞口雲深夜無月


三游洞に遊ぶ

 蘇東坡

凍雨霏霏として半雪と成る 游人屨冷かにして蒼苔滑かなり 辭せず被を攜へて巌底に眠ることを 洞口雲深くして夜月無し


降りしきるみぞれはいつしか半ば雪となり、くつはすっかり冷えきって、あおあおと苔むした岩の上はつるつるすべる。寝具を携えて来て洞内の岩底に眠ってもよいとさえおもうのだが、洞口にはこんなに雪が深くたれこめていて、今宵は月も見られないにきまっている。


by mteisi | 2014-05-07 07:51 | 唐詩選七絶
黃山谷
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次韻王稚川客舍

 黃山谷

五更歸夢常苦短 一寸客愁無奈多 慈母毎占烏鵲喜 家人應賦エンイ


王稚川の客舍に次韻す

 黃山谷

五更の歸夢常に短きに苦しむ 一寸の客愁多きを奈んともする無し 慈母毎に占はん烏鵲の喜びを 家人應に賦すべしエンイの歌を


五更の長い夜も故郷に帰る夢を見るには、いつも短いのが惜しまれるし、わずか一寸の胸の中も、異郷にある愁いを持つと、心のもの思いの多きのをどうすることも出来ない。母はいつも自分の帰るのを待っているであろうし、妻は自分が妻を忘れていると詠じているであろう。


by mteisi | 2014-04-22 08:08 | 唐詩選七絶
張継
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楓橋夜泊

 張継


月落烏啼霜満天 江楓漁火對愁眠 姑蘇城外寒山寺 夜半鐘聲到客船


楓橋夜泊

 張継


月落て烏啼いて霜天に満つ 江楓漁火愁眠に對す 姑蘇城外の寒山寺 夜半の鐘聲客船に到る


月は沈み烏が鳴き、霜の気は空に道わたる。旅愁に眠れぬ私の目にうつる、川ばたの紅葉といさり火と、姑蘇城外の寒山寺。夜半をつげる鐘の音が、この舟の中まで伝わってくる。


by mteisi | 2014-04-21 08:06 | 唐詩選七絶
熊孺登
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正月十五日

 熊孺登


漢家遺事今宵見 楚郭明燈幾處張 深夜行歌聲絶後 紫姑神下月蒼蒼


正月十五日

 熊孺登


漢家の遺事今宵見る 楚郭の明燈幾處か張る 深夜行歌聲絶えて後 紫姑の神は下り月蒼蒼たり


今宵こそ漢代の遺風が見られる日。楚の町でも燈籠をかかげた家が幾つか。夜ふけて道行く人の歌声も絶えてから、紫姑の神が降りてくる。青い青い月光の中を。


by mteisi | 2014-04-20 08:22 | 唐詩選七絶
韋荘
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古離別

 韋荘

晴煙漠漠柳毿毿 不那離情酒半酣 更把玉鞭雲外指 斷腸春色在江南


古離別

 韋荘

晴煙漠漠柳毿毿 離情を那んともせず酒半ば酣なり 更に玉鞭を把りて雲外を指せば 斷腸の春色江南に在り


晴れた空のものとにひろがる霞。長く垂れた柳の糸。別離の情にくみかわす酒の酔いもまわるのは半ばほど。しかも玉の鞭をあげて雲の彼方をさせば、断腸の思いをそそる春景色が江南の地を覆っている。


by mteisi | 2014-04-19 08:16 | 唐詩選七絶
蘿鄴
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 蘿鄴

暮天新雁起汀州 紅蓼花開水國愁 想得故園今夜月 幾人相憶在江樓


 蘿鄴

暮天新雁汀州より起る 紅蓼花開く水國の愁 想い得たり故園今夜の月 幾人か相憶うて江樓に在る


夕べの空に初雁が岸辺から飛びたった。赤い蓼の花咲くとき、水郷の旅愁。思えば故郷では今夜の月を望みつつ、川岸の楼上で幾人が私のことを思っているだろう。


by mteisi | 2014-04-17 08:15 | 唐詩選七絶
李商隠
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夜雨寄北

 李商隠

君問歸期未有期 巴山夜雨漲秋池 何當共剪西窓燭 却話巴山夜雨時


 李商隠

君歸期を問うも未だ期有らず 巴山の夜雨秋池に漲る 何當か共に西窓の燭を剪り 却って巴山夜雨の時を話らん


いつ帰るのかとあなたは言うが、まだその時が来ない。巴山ではいま夜の雨が、池の水をみなぎらせている秋。二人で西の窓辺に灯火の芯を切りながら、巴山の雨降る夜の思いを語るのはいつのことか。


by mteisi | 2014-04-16 07:56 | 唐詩選七絶
杜牧
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泊秦淮

 杜牧

煙籠寒水月籠沙 夜泊秦淮近酒家 商女不知亡國恨 隔江猶唱後庭花


秦淮に泊って

 杜牧

煙は寒水を籠めて月は沙を籠む 夜秦淮に泊して酒家に近し 商女は知らず亡國の恨 江を隔てて猶唱う後庭花


霧は秋の川面に立ちこめ、月光が川砂を包む。この夜、秦淮の酒場近いあたりに舟を泊めた。歌妓は亡国の恨みを知るはずもなく、川越しに今も聞こえてくる後庭花の歌。


by mteisi | 2014-04-15 07:48 | 唐詩選七絶
杜牧
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贈別

 杜牧

娉娉裊裊十三餘 荳蔲梢頭二月初 春風十里揚州路 巻上朱簾總不如


別れに贈る

 杜牧

娉娉裊裊たり十三の餘 荳蔲梢頭二月の初め 春風十里揚州の路 朱簾を巻き上ぐるは總べて如ず


年は十三を越えた美しさ、しなやかさ。二月の初め、梢に咲きそめた荳蔲の花か。春風十三里、揚州の街の、簾を捲きあげたどの家の女もかなわない。


by mteisi | 2014-04-14 07:57 | 唐詩選七絶
杜牧
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江南春

 杜牧

千里鶯啼綠映紅 水村山郭酒旗風 南朝四百八十寺 多少樓臺煙雨中


江南の春

 杜牧

千里鶯啼いて綠紅に映ず 水村山郭酒旗の風 南朝四百八十寺 多少の樓臺煙雨の中


千里を鳴きわたる鶯、若葉の綠に映える花の紅。水辺の村にも山里にも、酒旗の旗にそよぐ春風。南朝四百八十の寺々の、数も知れぬ楼台がけぶる雨のうちに。


by mteisi | 2014-04-13 07:37 | 唐詩選七絶