古今和歌集86
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さくらのちるをよめる
   凡河内(おほしかふちの)みつね

雪とのみ ふるだにあるを さくら花
いかにちれとか 風の吹くらむ

桜の花の散るのをよんだ歌。

桜の花が風もなく雪のように静かに散るのでさえも惜しいのに、
どのようにはげしく散れといって、このように風が吹くのであろうか。
# by mteisi | 2010-07-30 20:14 | 古今和歌集
古今和歌集85
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春宮(とうぐう)のたちはきのぢんにて、さくらの花のちるのをよめる
   ふぢはらのよしかぜ

春風は 花のあたりを よぎてふけ
心づからや うつろふと見む

東宮の帯刀陣(たちはきのじん)で桜の花の散るのをよんだ歌。

春風は花の咲いているあたりをよけて吹いてくれよ。
桜の花は自分の意志で散りがたになるのか、見さだめようと思うから。
# by mteisi | 2010-07-29 19:50 | 古今和歌集
古今和歌集84
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桜の花のちるをよめる
   きのとものり

久方の ひかりのどけき 春の日に
しづ心なく 花のちるらむ

桜の花の散るのをよんだ歌。

火の光ものどかな春の日であるのに、落ち着いた気持ちもなく
桜の花が散っているようである。
# by mteisi | 2010-07-28 17:28 | 古今和歌集
鉋がけ
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プロの鉋がけを見せてもらった。

昨日宮大工でもある武藤さんが作られた東屋を見てきた。
美美さんのお客さんの大野さんの庭に建てられたもので、
思っていたよりも屋根が高く堂々たるものだった。
頼まれて、そこに字をを書くのだが、その板を削ってもらった。

庭には大きなさくらの木と、黐(もち)の木があって、
そこに、烏や鳩が巣を作るので、「桜黐巣」と書くことになった。
字を彫り込んで白色にし回りは拭き漆で仕上げようと思っている。
刻字は初めてなのでどうなることか。
# by mteisi | 2010-07-27 11:09 | 手仕事
古今和歌集83
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「さくらのごととくちる物はなし」と人のいひければよめる

さくら花 とくちりぬとも おもほえず
人の心ぞ 風も吹きあへぬ

「桜の花のように速く散るものはない」と人が言ったのでよんだ歌。

桜の花はそれほど速く散ってしまうとも思われない。
人の心こそ風も吹きおろせないほど早く変わるものであるよ。
# by mteisi | 2010-07-26 17:44 | 古今和歌集
古今和歌集82
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さくらの花のちりけるをよみける
   つらゆき

ごとならば さかずやはあらぬ さくら花
見る我にさへ しづ心なし

桜の花の散ったのをよんだ歌。

こんなことならば、桜の花よ、いっそのこと、なぜ咲かないではいないのか。
そのようにはかなく散ると、見ている私までも落ち着いた気持ちになれないのであるから。
# by mteisi | 2010-07-25 16:26 | 古今和歌集
古今和歌集81
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東宮の雅院にてさくらあの花のみかわ水にちりてながれけるを見てよめる
    すがのの高世

枝よりも あだにちりにし 花なれば
おちても水の あわとこそなれ

東宮の雅院で、桜の花が散って、御溝水(みかわみず)に流れてゆくのを見て詠んだ歌。

枝からもはかなく散ってしまった花であるから、
散ってからもはかない水の泡となっていることよ。
# by mteisi | 2010-07-24 12:47 | 古今和歌集
古今和歌集80
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心地そこないてわづらひける時に、風にあたらじとて、おろしこめてのみ侍りけるあいだに、をれるさくらのちりがたになりけるを見てよめる
    藤原よるかの朝臣

たれこめて 春のゆくへも しらぬまに
まちし桜も うつろひにけり

病気にかかって悩んでいたときに、風にあたるまいと思って、
簾(すだれ)を垂れさげて引きこもっていた間に、
折とって花瓶にさしてあった桜の花が散りそうになってしまったのを見てよんだ歌。

部屋の中に引き籠もっていて春のすぎるのも知らないでいた間に、
早くから咲くのを楽しみに待っていた桜の花も、はや散りがたになってしまったことよ。
# by mteisi | 2010-07-23 14:04 | 古今和歌集
古今和歌集79
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山のさくらをを見てよめる

春霞 なにかくすらむ 桜花
ちるまをだにも 見るべき物を

山の桜を見てよんだ歌。

春霞はなぜあのように桜花をかくすのであろうか。
せめて散る間だけでもみるべきはずであるのに。
# by mteisi | 2010-07-22 18:14 | 古今和歌集
古今和歌集78
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あひしれりける人のまうできて、かへりにけるのちに、よみて花にさしてつかはしける
   つらゆき

ひとめ見し 君もやくると 桜花
けふはまち見て ちらばちりなむ

知りあっていた人が、やって来て帰ってしまった後に、
詠んで花につけて贈った歌。

桜の花を先ほど一目見て帰ったあなたが来るかもしれないと思って、
今日一日だけはためしに待ってみて、それで来ないならば、
そのあとは散るならば散ってもらいたい。
# by mteisi | 2010-07-21 18:42 | 古今和歌集