古今和歌集88
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題しらず
   (一本)大伴くろぬし

春雨の ふるは涙か さくら花
ちるををしまぬ 人しなければ

春雨がしとしと降っているのは、人の泣く涙であろうか。
桜の花の散るのを惜しまない人はいないのであるから。
# by mteisi | 2010-08-05 23:13 | 古今和歌集
古今和歌集87
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ひえにのぼりてかへりまうできてよめる
   つらゆき

山たかみ みつつわがこし さくら花
風は心に まかすべらなり

比叡山に上り帰ってきてよんだ歌。

山が高いので折り取ることもできずただ見るだけで、
私が通って来たあの桜の花を、
風はおもうとおりにしているようであるよ。
# by mteisi | 2010-08-04 22:49 | 古今和歌集
桜黐巣
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桜黐巣の彫り込みを終えて、
ただいま文字を白くするために、白墨を塗っている。
チョークではなくて、膠で石灰?を固めたものであろうか、
白い墨で刻字用のものである。
奈良の墨運堂から手に入れたが、需要が無くてもう生産してないらしい。
10個残っているものの中から2個手に入れた。
これが、なかなか濃くならない。
元来、淡墨を好んで使うので墨を濃くすらない。
まあ、いいかなあというところで塗ってみると、
下地の木の色が出ている。
この写真で3度塗ったところ、
まあ白く見えるが、まだ本当に欲しい白ではない。
そして、結構長く擦ってみたが、まだまだだ。
これからまた、塗ってみようと思っている。
# by mteisi | 2010-08-02 16:51 | 自作の書
古今和歌集86
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さくらのちるをよめる
   凡河内(おほしかふちの)みつね

雪とのみ ふるだにあるを さくら花
いかにちれとか 風の吹くらむ

桜の花の散るのをよんだ歌。

桜の花が風もなく雪のように静かに散るのでさえも惜しいのに、
どのようにはげしく散れといって、このように風が吹くのであろうか。
# by mteisi | 2010-07-30 20:14 | 古今和歌集
古今和歌集85
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春宮(とうぐう)のたちはきのぢんにて、さくらの花のちるのをよめる
   ふぢはらのよしかぜ

春風は 花のあたりを よぎてふけ
心づからや うつろふと見む

東宮の帯刀陣(たちはきのじん)で桜の花の散るのをよんだ歌。

春風は花の咲いているあたりをよけて吹いてくれよ。
桜の花は自分の意志で散りがたになるのか、見さだめようと思うから。
# by mteisi | 2010-07-29 19:50 | 古今和歌集
古今和歌集84
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桜の花のちるをよめる
   きのとものり

久方の ひかりのどけき 春の日に
しづ心なく 花のちるらむ

桜の花の散るのをよんだ歌。

火の光ものどかな春の日であるのに、落ち着いた気持ちもなく
桜の花が散っているようである。
# by mteisi | 2010-07-28 17:28 | 古今和歌集
鉋がけ
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プロの鉋がけを見せてもらった。

昨日宮大工でもある武藤さんが作られた東屋を見てきた。
美美さんのお客さんの大野さんの庭に建てられたもので、
思っていたよりも屋根が高く堂々たるものだった。
頼まれて、そこに字をを書くのだが、その板を削ってもらった。

庭には大きなさくらの木と、黐(もち)の木があって、
そこに、烏や鳩が巣を作るので、「桜黐巣」と書くことになった。
字を彫り込んで白色にし回りは拭き漆で仕上げようと思っている。
刻字は初めてなのでどうなることか。
# by mteisi | 2010-07-27 11:09 | 手仕事
古今和歌集83
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「さくらのごととくちる物はなし」と人のいひければよめる

さくら花 とくちりぬとも おもほえず
人の心ぞ 風も吹きあへぬ

「桜の花のように速く散るものはない」と人が言ったのでよんだ歌。

桜の花はそれほど速く散ってしまうとも思われない。
人の心こそ風も吹きおろせないほど早く変わるものであるよ。
# by mteisi | 2010-07-26 17:44 | 古今和歌集
古今和歌集82
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さくらの花のちりけるをよみける
   つらゆき

ごとならば さかずやはあらぬ さくら花
見る我にさへ しづ心なし

桜の花の散ったのをよんだ歌。

こんなことならば、桜の花よ、いっそのこと、なぜ咲かないではいないのか。
そのようにはかなく散ると、見ている私までも落ち着いた気持ちになれないのであるから。
# by mteisi | 2010-07-25 16:26 | 古今和歌集
古今和歌集81
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東宮の雅院にてさくらあの花のみかわ水にちりてながれけるを見てよめる
    すがのの高世

枝よりも あだにちりにし 花なれば
おちても水の あわとこそなれ

東宮の雅院で、桜の花が散って、御溝水(みかわみず)に流れてゆくのを見て詠んだ歌。

枝からもはかなく散ってしまった花であるから、
散ってからもはかない水の泡となっていることよ。
# by mteisi | 2010-07-24 12:47 | 古今和歌集