五風十雨
c0169176_0232788.jpg

久し振りに昔の仕事に出会った。今作っている福岡書芸院の宣伝用の小冊子「SAI」の表紙に、1986年の「石印と書の会」のために制作した「五風十雨」使うことになった。当時は柳宗悦の民芸論に心酔していて、書表現も理解の出来ない漢詩より日常的な言葉を表現したり、理解できる漢字を書くことが書の真髄であると考えていた。篆刻も篆書を彫るだけではなく普通に読める字を彫ろうと、いろいろ彫っていた。カレンダーを作ったのが一番の傑作だったかもしれない。数字も全部手で押すので5.6部がやっとだったかもしれない。手許にあったカレンダーが見当たらなくて何月に当てていたか忘れたが、その中の一つがこの「五風十雨」。
この作品は10月にやる「KURASHIの中の美Ⅲ」でご一緒する染色と織りの中本扶佐子さんとの出会いの一作で、思い出深い作品の一つ。熊谷守一にも心底影響を受けていて、「五風十雨」の言葉も彼の作品集からもらった。書き出すと色々書くことが出てくる。
# by mteisi | 2008-09-18 00:31 | 自作の書
祐理ちゃん
みんな上手な字を書きたいと、一生懸命だ。でも上手なだけではつまらない。そこにちゃんとその人がいないと。顔真卿・蘇東坡・黄山谷みんな上手い、そして魅力的な顔がある。
祐理ちゃんは漢字がとても好きという。知らない字は字統をひいて調べてみる。そして声を出して読んでみる、知らない字も多いが意外と読めるのに感心する。
c0169176_2124278.jpg

c0169176_213116.jpg

# by mteisi | 2008-09-15 21:06 | 児童の指導
トタン焼き
寸時舎に行ってトタンを焼いてきた。その様子を写真に収めるつもりだったが、カメラを忘れ携帯も忘れたので映像をUPできなかった。
2枚焼いてあと2枚焼くのでその時はカメラを忘れないようにしよう。ブリキを焼くと油分が取れてマットなグレーになり、油の流れ具合により様々な模様が生まれてくる。
今回は10月のアクロス福岡での書展「一瞬」の会場演出に、鉄の簡易茶室とブリキで作った花入れで遊び空間を作ろうと思っている。
ブリキは結構手軽に遊べる。下の額は以前作ったもの。
c0169176_21102249.jpg

1999年の「ぎゃらりおいし」での個展の出品作。
「うしろすがたのしぐれていくか山頭火まえむいていこう」
c0169176_21104578.jpg

この額は焼かずに山形にして、板にローソクの絵を書いてみた。
2点とも寸時舎に置いていたが、持ち帰ってギャラリーで撮影。
# by mteisi | 2008-09-13 21:24 | 自作の書
陶印「書游探訪」
c0169176_22161241.jpg

告知用のB5版8ページの小冊子を作っている。会員の方の作品を見てもらうのに作品だけを飾るのは面白くないので、お家を訪ねて書のある風景を撮影することにした。カメラマンの梅本弘さんにお願いして、床の間に飾られた「遊心」という作品を素敵に撮ることができた。
この陶印「書游探訪」はそのコーナーのタイトル文字。一文字づつ彫って押してみた。隷書・篆書・楷書が混ざったような変わったものが欲しかったが、結構上手くいった。この冊子のために他にも印を彫ったり、挿入の古代文字を書いたりあわただしく遊んだ。
# by mteisi | 2008-09-12 22:17 | 自作の書
艸鴛会展
c0169176_22544920.jpg

熊本の鶴屋デパートで明日から16日(火)まで開催される、「艸鴛会展」の飾り付けをやってきた。
書の展覧会は解からないというのが、一般的な感想なので、何とか解かる面白い展覧会を考えている。壁面2面のだだっ広い空間だったので、鉄の棒で空間を切ってそこに、ブリキでこさえた花入れを置いてみた。
作品は表具に工夫を凝らし、インドの布などで因習的な様式にオヤッと思わせる質感や文様を加えてみた。
# by mteisi | 2008-09-09 23:03 | 展覧会
奇跡のリンゴ
c0169176_2315328.jpg

時間つぶしに本屋に寄ったら面白い本に出会った。以前から仕事は知っていたのだが、知らないことも沢山あって一気に読み上げた。
福岡さんに影響された人が素晴らしい成果を出すことはうれしいことだが、「無為」何もしないということがこのように壮絶であることは深く考えさせられる。
あらためて自然のとの関係の大切さを感じさせられたが、自然農法をもう少し楽に展開できたらと思う。福岡さん木村さんの経験からグータラをみつけよう。タイヤチェーンで除草できるのは素晴らしい。来年やってみる。
田圃だけはガードを固めて猪を防御するが、他は果物の木を植えていさかいを少なくしようと思う。雑草を刈るのもほどほどにして、どうなるか様子を見てみよう。土手は猪にボコボコにされていることだし。
# by mteisi | 2008-09-08 23:18 | 野良しごと
稲作り
c0169176_2075553.jpg

今年の夏は、5時起きで早朝の草取りを2時間から2時間半およそ30日、ハードな一日を過ごした。稲と稗の分別の知識がないままの稲作り。
えせ百姓の師匠である、本百姓の中川さんから草取りは一度すれば大丈夫だからと聞いていた。
確かに3年前やった時はそれでよかった。だがその時は猪にやられて全滅だった。
今年も苗代ですったもんだしながらも、どうにか楽しい田植えも無事終了。あとは軽く草取りをして、猪に備えようと思っていた。
ある日、田圃は一面に緑。草取りが終わると二度目が待っていた。二度目が終わると三度目が。その時師匠が田圃を見て、「稲と稗のちがい解かりますか?」「節に産毛があるやつが稲。」一株全部引き抜いて、「これは稗」といって見せてくれた。
それから稗抜きが始まった。稗ばかりの株が沢山あって、綺麗な絨毯が凸凹の禿畑になってしまった。
# by mteisi | 2008-09-06 20:15 | 野良しごと
太基君
c0169176_2024552.jpg

子供達には出来るだけ沢山の書を見せたいと考えている。いろいろ見ておくと大人になった時、上質な書に対して拒否反応だけは起こさないですむ。
小学校5年生の太基君はじっくりと丁寧に書くタイプ。最初は嫌いだといっていた絵も、描いてみると魅力的な絵を書く。
c0169176_20233350.jpg

手製本を作るのに甲骨文を書いている。面白い本が出来そうだ。
# by mteisi | 2008-09-05 20:26 | 児童の指導
書の形
c0169176_6152575.jpg

金文・篆書・隷書・楷書・行書・草書で書を書いてみた。金文、篆書、草書は新たに字を覚えないと読めないが、金文は絵になっているので慣れてくると理解は早い。ところが草書はなかなか覚えるのが難しい。だが、抽象的な絵画性があり魅力的だ。
楷書の書は聿(イツ・ふで)と曰(エツ・いわく)との組み合わせだが、金文や篆書では聿と者を組み合わせたもの。者はものを表わすがかくすという意味もある。交叉させた木と曰からできている。曰は神への祈りの文を入れる器の口(サイ)の中に祝詞がある形。曰の上に木の枝を重ね、土(木の枝の間の点が土を表わす)をかけ、お土居(土の垣。土塁)を作る形である。殷代ではお土居で囲んで外からの襲撃に備えた。お土居の中にお札のようにして曰が埋められており、お札に書かれた文字を書という。邪霊などを祓うまじないとしてしるされた神聖な文字のことである。
c0169176_61913.jpg

# by mteisi | 2008-09-04 06:23 | 語源で遊ぶ
翰墨三昧
「宙游・チュウユウ」という筆が出来上がった。中筆の瀟洒な筆で手紙を書いたり、条幅という大きな紙に大胆に筆を使って書くのも面白いだろう、というもの。
以前から取引のあった熊野の「平尾文明堂」に依頼して、魔法の筆なる自分の要求を全て満たす筆作りをやってみた。今回で3本目になる。最初は「風瓏・フウロウ」で2本目が「聚・シュウ」だった。両方とも似たような性質の筆だが、「風瓏」は筆管に牛角を使って自分なりに姿の気に入るものを作った。要求したのは蔵鋒と捻筆が適度な技術で使えるものを、だった。筆では最高といわれる羊毛の筆は、鋒先が柔らかいのでくっつきやすく筆先が開きにくい特徴がある。あたたか味のある線が引けるのだが、筆使いに癖がつきやすい。そこで天尾(馬尾毛)と山羊毛を混ぜて作ってもらった。羊毛のように柔らかくはないが、倒れた筆先を真っ直ぐにもどしたり開いたりするには、少々の技術がいる筆である。
字は筆先を屈伸しながら書けるようになると、奥行きある線が引ける。この技術で自分の字を書けばそれなりの字になる。形は嘘字でなければどんな形でもよい。力があれば法が後からついてくる。魅力的だといわれている中の、そのまた一流はそれまでなかった字で翰墨三昧をやっている。
c0169176_002094.jpg

右から風瓏・聚・貴仙(これは文明堂製)・宙游・寸時(文明堂製のものに寸時の名をつけ、筆管を長く変えた)・古今(仮名筆で文明堂製)
c0169176_01342.jpg

宙游のPRのために書いたもの。
# by mteisi | 2008-09-03 00:30 | 手仕事