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2008年12月21日
熊谷守一

守一は絵を通して徹底的に自我を通した人である。
絵を描くのも好きだから描くのであって、他になんの目的もないと語っている。
坂本(繁二郎)さんはいい絵を描きたいと思っていた。
私はその欲もないという。
目的がなく描くということが、頭では理解できるのだが、
未だにその実感を味わうことはない。
そのような世界で芸を遊んでいた人である。

その守一に出会ったのが福岡の天神地下街。
「たち吉」のショーウインドーに「延壽万歳」という色紙額が掛かっていた。
その書に吸い寄せられ、くいるように見入った。
筆法の跡も見られない、形の有りようもなるようになるという感じの無味なものだった。
だが、そこに何か分けの分からない大きなものが存在していた。

以後、書作集や随筆を読みあさって守一を追求した。
「すずめ」「たんぽぽ」「蒼蠅」「雨滴」「いろは」「雪月花」数えればきりがない。
「無」は本当の無を表現していると感じる。
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守一をイメージして書いてみた。
by mteisi | 2008-12-21 17:39 | 歴史的な作家と書


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