食卓の上にメモ紙が一枚。
面白い字だなと思った。
書をやっている娘のものだった。
作品を見てもあまりいいとは思わないが、
これは書として全一だった。
字を習う前の子供の書が全一をもっている。
ところが大人になると分裂してしまうのである。
仕事から帰ってくると、もう一枚メモがあった。
これも面白い。
卒意の書といって、手紙など美を意識しないものに宿る妖精がいて、
結構やっかいだが、それが見えるようになると書の楽しみ方が変わってくる。
さて、作品を作るとなると、分かっているのだがままならない。
そういうことの繰り返し。
思いがけず、書を見て楽しんだ.