隷書は主に漢代に使用された文字である。
これまで紹介したものは私のお気に入りものだけ。
その他にも流麗なもの、揺るぎのないもの、緊張感のあるもの、
さまざまな表情を持った隷書が沢山ある。
そして、その面白さを自己表現の場として制作したのが、
清代の書人や文人達。
作家の個性により、豊かに彩られている。
陳鴻壽はその中で私の一番のお気に入り。
威風堂々という表現ではなく、
知的にどこか抜けた楽しさや可笑しさが、
いわせない。
この人の場合、英俊な空気を持つ行書とのギャップも、
なぜだろうと考えさせられて、それも愉快。