人気ブログランキング | 話題のタグを見る
COLLECTION/CONNECTION
昨日「珈琲美美」に個展の打ち合わせで寄った。
市美の近くなので展覧会の内容によってお客さんの入りが違うらしい。
今なんですかと聞くと、所蔵品展だという。
たいしたもの持ってないでしょうというと、
結構面白いとのこと。

COLLECTION/CONNECTION
福岡市美術館30周年・福岡市制施行120年記念
コレクション/コネクションー福岡市美術館の30年
8月8日(土)〜9月27日(日)

こんな大層な展覧会なのに
入口付近にそれらいい案内もなにもない。

いつも1階の松永記念館から見るのでそちらへ行くと、
チケットは2階で購入とのこと。
階段を上がると、いつもはロビーの窓ガラスが
大きなスクリーンと化していた。

さまざまな分野のものを混在させる展示方法。
現代アートの傍に書が並んでいたりする。

特別展示室A室に入ると、
すぐの所に宮本武蔵の「闘鶏図」、上手な水墨画という感じだ。
アンディー ウォーフォールのエルビス プレスリーも目を引くが
創造性よりも思考形態の新鮮さという感じがする。
意外と仙厓の書が弱く見えた。
大ファンとしては残念。
清拙正澄の右払いの長い楷書の穏やかさが
何ともよかった。

目新しいものも沢山あるが、
やっぱり自分がいいと思っているものがよかった。
ベンシャーンの「つけペンを持つ手」がすごかった。
ピカソの版画も、遊びの世界へ入っていく感じが面白い。
マチスの切り絵もどうってなさが凄い。

日本の油絵創生期の部屋はなぜだかシーンとなった。
次の部屋にはいつも楽しめる佐伯祐三長谷川利行 があった。
長谷川利行はユトリロとルオーと並んでいたが、やっぱりよっかた。

ビュッフェの白いカンバスに黒い線で描かれた皿のある絵も印象的。

抽象的なものでは山口長男の赤茶色の面に黒い線が引かれた作品と
フォンタナの緑のキャンバスをカッターで斬りつけた3本の黒い線が
面白い対比を為していた。

松永記念館は樑階の「闘鶏図」が迎えてくれた。
現代絵画の抽象性を感じさせる墨の塊が、斬新。
武蔵は何を見たのやら、一刀のもとにやられている。
光悦の手紙は最高。

忘れていたが、李朝の柿蔕茶碗「白雨」はやっぱりいい。

それにしてもこの展覧会、入場料は500円と易いが、
もっと金をかけて市を上げてのイベントにすればいいのにと思った。
市制120年と銘を打った割には誰も知らないのではないだろうか。
遊べない公に仕事の儚さを感じた。
by mteisi | 2009-08-12 11:40 | 展覧会


<< じゆうであることのまなび      「鼎之鼎展」の印稿 >>