もうずっと前の話だが、絵の先生とインドを旅したことがあった。
その時道端に落ちていた猪口を
ひょいと拾って
「面白いね」といって私にくれた。
街を歩いていると露天のお茶売りの傍らに
山と積まれて素焼きの猪口が捨てられていた。
帰ってきて知人の陶人に見せると、
日本でこれだけ轆轤を碾けるものは一人もいないという、
ショックだった。
だが、考えてみると当然の話。
捨てられるものを作って生計を立てるのだから
碾いた轆轤の量は計り知れないものがある。
印土無心
手動闊達駄弁舌
吹吹成形作素陶
使捨端道茶器山
日日回回轆轤韻
そして印を作ってみたが、出来は今ひとつ。