ショ
ふみ・かく・しるす
聿(イツ)と者とから出来ている。
楷書は聿と曰から出来ているが、
篆書や金文は者になっている。
聿は筆を手に持つ形。
者は祝禱の器である曰を土中に埋め、
その上を小枝や土で蓋(おお)う形。
古くは聚落の周囲をめぐらした土垣の中に
これを封じた。
その垣を堵(ト)といい、その呪能によって
外部からの邪悪なものを杜絶しうるとしたのである。
その祝禱の器中に入れられた呪符の文を書という。
さて書だが
なかなか世間話に出てこない。
書の話を面白くするには、書の歴史を知った人が必要だ。
だが絵や音楽のようには行かない。
ゴッホやピカソやバッハ、シューベルト
これくらいの知識に当たるものが、
書にはあるあろうか。
王羲之、顔真卿、良寛、空海、行成、
篆隷楷行草、仮名、変体仮名、万葉仮名。
これを知っている人が日本中にどれくらいいるだろう。
会話が成立するくらいの情報はどれくらい必要なのだろう。