「勅使河原蒼風の目」展という本を手に入れた。
蒼風の書は大字や絵入りの手紙を見たことがあった。
見た手紙は隺仙と似たところがあって、面白い空気を持っていた。
仕事らしきものを見るのは今回が初めて。
あらゆる創造物に興味を持っていた人で、
編集された本の中には彫刻的な花から、
書や絵、様々なジャンルの蒐集品の数々が、
紹介されていた。
とても面白い。
その中のひとつに八大山人の書があった。
中国の書の中では唯一日本的な人間臭さを持った、
書だと思っている。
人道難馴鹿易降
百花開落酒盈觴
如何月裏丹青手
定是凡間白玉堂
難や馴の草書のくずし方は、
書道辞典にも載ってない独特のもので、
誤字と判断されても仕方がない。
青という字は月のところを、
丹と書いて源字を使っている。
何故こう書いたのだろうと、考えると、
八大山人のひねた顔が浮かんでくるようだ。
無表情な線が無茶苦茶しゃべっている。