奇妙な形の木の器に出逢った瞬間、虜にされていまいました。形が素晴らしい。たぶん自分が使うために、自分で作った物だと思います。でも、人の物も頼まれれば作っていたし、仕事として成り立っていたのかな。こんな自由な心のありようでお金に換えられるのは、とてつもないことだと思います。
木を刳りぬいて形にしていいます。自然の味なんてものはかけらも感じません。手に負えない斬新さで迫ってきます。口の形と刳りぬきの角度が絶妙な緊張感です。花を入れると素敵です。でも、床に置くと口が傾いてしまうので収まりません。下に小さなものを置いて水平をとります。それくらい適当なんです。
現代作家にはとてもこの真似はできません。人類の歴史を丸抱えしたような土性骨はとても無理です。でも、なんとかならないかと思っています。私達も人類の最先端にいる、一人の人間として。