人気ブログランキング | 話題のタグを見る
今朝の一筆
今朝の一筆_c0169176_539341.jpg


真はシン・まこと・うまれつき・もと

旧字は眞と書く。
ヒと県とからなる。
ヒは化の初文で死者。
県は首の倒れた形。
合わせて顚死者で
行き倒れた人のこと。
非業の死を遂げた人の怨霊は
恐るべき呪霊を持つので
これを慎みその瞋(いかり)を
鎮めたのである。

眞は経籍にはほとんどなく
「老子」「荘子」に初めて出てくる。
「眞人ありて、而(しか)るのち眞知あり」と
存在の根源、その根源に達したものの
意にもちいられた。
宗教者の立場で得られたもので、
荘子学派は古い司祭者の伝承の上に
立つものであろう。

白川静は
荘子が眞を「真宰」「真君」のように
人格的なよびかたをしながら、
特定の信仰対象を設けなかったところに、
中国の思想の根底にある現実的性格を
認めることができるといい、
真は中国の古代思想が達しえた、
最もすぐれた理念の一つである。
という。
ところが、のち道教の徒によって
著しく世俗的なものになったともいう。
by mteisi | 2011-12-24 06:23 | 自作の書


<< 古今和歌集568      古今和歌集567 >>