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老子第六十四章
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其安易持、其未兆易謀。其脆易泮、其微易散。爲之於未有、治之於未亂。
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是以聖人欲不欲、不貴難得之貨。學不學、復衆人之所過。
以輔萬物之自然、而不敢爲。

其の安きは持し易く、其の未だ兆さざるは謀り易し。
其の脆(もろ)きは泮(わ)け易く、その微なるは散じ易し。
之を未だ有らざる為し、之を未だ乱れざるに治む。
是を以て聖人は、欲せざるを欲し、得難き貨を貴ばず。
学ばざるを学び、衆人の過ぎし所に復し、
以て万物の自然に輔(もと)づき、
而(しか)して敢えて為さず。

安定しているうちは摑(つか)まえやすく、
兆しがないうちは手を打ちやすい。
脆いうちは分解しやすく、
微かなうちは散らしやすい。
ことが生じないうちに対処し、
まだ乱れないうちに治めておく。
そういうわけで聖人は、
欲を持たないということを欲とし、
珍しい財宝を尊重しない。
学ばないということを学とし、
誰もが過ぎ去ってしまった素朴なところに復帰する。
そのようにして万物の本来のあり方に任せているのであって、
自分から何かをすることはないのだ。

「学ばないということを学とし」は学ばないことではなく、
学ばないということは何かを学ぶか。
怠惰な愚民がいいとは決して言っていない。
都合よく考える自分を見つめようと言うことだろう。
素朴な所とは簡潔な暮らしか、
それにしては一杯ため込んでしまった。
by mteisi | 2012-03-11 07:21 | 老子


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