老子第六十九章
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用兵有言、吾不敢爲主而爲客、不敢進寸而退尺。
是謂行無行、攘無臂、執無兵、仍無敵。
禍莫大於輕敵、輕敵、幾喪吾寶。故抗兵相加、哀者勝矣。

兵を用うるに言あり。吾れ敢えて主と為らずして客と為り、
敢えて寸を進まずして尺を退く、と。
是れを、行(れつ)無きに行(つら)ね。臂無きに攘(あ)げ、
兵無きに執る、と謂う。仍(すなわ)ち敵なし。
禍(わざわい)は敵を軽んずるより大なるは莫(な)く、
敵を軽んぜば幾(ほとん)ど吾が宝を喪わん。
故に兵を抗(あ)げて相い加(し)かば、
哀しむ者勝つ。

兵法に次のような言葉がある。
「自分からむりに攻撃をとるな、むしろ守勢にまわれ。
一寸でもむりに進もうとするな、むしろ一尺でも退け」と。
これを、陣なき陣を布(し)き、腕なき腕を挙げ、
武器なき武器を取る、ろいうのであり、
そうであれば敵となるものは無くなるのだ。
敵をあなどることより大きな災禍はなく、
敵をあなどれば、ほとんど自分の宝を失ってしまうであろう。
そこで、両者の兵力が互角の形勢にあるときは、
哀しむ者の方が勝つのだ。

なるほどと思う。
外で見ていると分かるが
当事者はなかなか実体がつかめない。
書も、
自分の書の実力を自分で計るのはとても難しい。
全貌が見えて始めて個の実体がつかめる。
by mteisi | 2012-03-16 06:32 | 老子


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