懐風藻13
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山斎
 大納言直大二中臣朝臣大島

宴飲遊山斎
遨遊臨野池
雲岸寒猨嘯
霧浦ダ(木偏に施の旁)聲悲
葉落山逾静
風涼琴益微
各得朝野趣
莫論攀桂期

山斎
 大納言直大二中臣朝臣大島

宴飲 山斎に遊び
遨遊 野池に臨む
雲岸 寒猨(かんえん)嘯(うそぶ)き
霧浦 ダ声悲し
葉落ちて山いよいよ静かに
風涼しうして琴ますます微なり
おのおの朝野の趣きをえたり
攀桂(はんけい)の期を論ずるなかれ

山荘に遊んで酒宴を開き
山の沼池をほしいままに鑑賞する
雲流れる水際の崖に物悲しく猿が鳴き
霧深い水辺に楫の音が悲しく響く
木の葉が散り山はいよいよ静かに
風はひんやり琴の音はますます冴える
それぞれに隠棲自然の風趣に満ちたりた
いまさら仙人隠者の境をいう要ははい
by mteisi | 2012-04-21 07:05 | 懐風藻


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