人気ブログランキング | 話題のタグを見る
懐風藻16
懐風藻16_c0169176_623225.jpg

述懐
 文武天皇

年雖足戴冕
智不敢垂裳
朕常夙夜念
何以拙心匡
猶不師往古
何救元首望
然毋三絶務
且欲望短章

懐ひを述ぶ
 文武天皇

年 冕(べん)を戴くにたるといへども
智 敢へて裳を垂れず
朕(われ)つねに夙夜に念ふ
なにをもってか拙心を匡(ただ)さん
なほ往古を師とせずんば
なんぞ元首の望みを救わん
しかも三絶の務なし
しばらく短章に望まんとほっす

年齢は冠を戴くのに十分であるけれども
能力は官服を飾るにあたいしない
わたしはいつも夜遅くまで考え込んでいる
どうしたら未熟な心を正していけるだろうかと
過ぎた昔の人を師としなったならば
なんで君主としての理想の政治ができようか
それなのに学に技芸に励むことをしていない
ともあれ五言の詩をもって心情を表そう
by mteisi | 2012-04-24 06:41 | 懐風藻


<< 心      古今和歌集690 >>