
am6:10
おだやかで彩な空いろ。
仲平朝臣あひしりて侍りけるを、かれがたになりにければ、
ちちがやまとのかみに侍りけるもとへまかるとて、
よみてつかはしける
伊勢
みわの山いかにまちみむ年ふとも
たづぬる人もあらじと思へば
藤原仲平朝臣と親しい間がらであったが、
離れ気味になってしまったので、
父が大和守であった許へ下って行くとて、
詠んで仲平に贈った歌。
大和の三輪山は、
どれほどあなたのおいでを待っていることであろうか。
たとえ何年たっても、他に訪れる人もあるまいと思うので、
あなただけは訪ねてきてください。