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懐風藻19
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春日応詔
 大宰大弐従四位上巨勢朝臣多益須

玉管吐陽気
春色啓禁園
望山智趣広
臨水仁懐敦
松風催雅曲
鶯哢添談論
今日良酔徳
誰言湛露恩

玉管 陽気を吐き
春色 禁園を啓(ひら)き
山を望んで智趣広く
水に臨んで仁懐敦し
松風 雅曲を催し
鶯哢 談論を添ふ
今日まことに徳に酔ふ
たれかいわむ湛露の恩

玉の笛は陽気に朗らかになり
春の気は御苑に満ちている
山を望みみると智者の情報で広々と
水を見下すと仁者の感懐ひときわ
松吹く風は高雅な曲をかなで
囀るうぐいすは談論の興を添える
今日天子の高徳に酔うた深い感激を
なんで月並みなことばで讃ええよう
by mteisi | 2013-02-01 06:52 | 懐風藻


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