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懐風藻30
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春日侍宴応詔
 贈正一位太政大臣藤原朝臣史

淑気光天下 薫風扇海浜 春日歓春鳥 蘭生折蘭人
塩梅道尚故 文酒事猶新 隠逸去幽藪 没賢陪紫宸

春日宴に侍す 詔に応ず
 
淑気天下に光り 薫風海浜に扇ぐ 春日春を歓ぶの鳥 蘭生蘭を折るの人
塩梅道なほ故り 文酒事なお新たなり 隠逸幽藪を去り 没賢紫宸に陪す

温和な気が天下にいなぎり、爽やかな風が海辺を吹いている。芳しい蘭を高雅な士が手折っている。調和の取れた政治は古くからのこと、詩を作り酒を酌む御宴は新たな感懐である。世を避けたわたしも竹林の幽居を出て仕え、ふつつかながら皇居に参内している。
by mteisi | 2013-02-12 07:38 | 懐風藻


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