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懐風藻34
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詠美人
 正六位上左大史荊助仁

巫山行雨下 洛浦廻雪霏 月泛眉間魄 雲開髻上暉
腰逐楚王細 体随漢帝飛 誰知交甫珮 留客令忘帰

詠美人

巫山行雨下り 洛浦廻雪霏ぶ 月は泛ぶ眉間の魄 雲は開く髻上の暉
腰は楚王の細を逐ひ 体は漢帝の飛に随ふ だれか知らん交甫の珮 客を留めて帰るを忘れしむ

楚の襄王は巫山で神女の楽しみをつくし、魏の曹植は洛水の神女の舞を作った。目もとは月の光のように美しく、結い上げた髪は雲がたなびくよう。腰は楚の霊王を悩殺したほそやかさ。身のこなしは漢の成帝好みの軽やかさ。だれが知ろう交甫が珠を手にしたときめきを。男心は帰ることなど忘れてしまうものなのだ。
by mteisi | 2013-02-18 07:09 | 懐風藻


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