
春苑応詔
大学博士田辺史百枝
聖情敦汎愛 神功亦難陳 唐鳳翔台下 周魚躍水浜
松風韻添詠 梅花薫帯身 琴酒開芳苑 丹墨点英人
適遇上林会 忝寿万年春
春苑詔に応ず
聖情汎愛敦く 神功また陳べがたし 唐鳳台下に翔り 周魚水浜に躍る
松風韻詠を添へ 梅花薫身に帯る 琴酒芳苑に開き 丹墨英人点ず
たまたま上林の会に遇うて かたじけなくも万年の春を寿ぐ
天子の慈愛は広く万民に及び、神のような大きな業はいいつくしがたい。鳳凰は台下を飛び翔り、魚は聖徳を喜んで水辺で跳ね躍る。松の清らかな響きは歌を添え、梅の香しい匂いを身に帯びる。琴と酒の雅宴を花咲く御苑の庭に開き、英才の人たちの詩書もまた絵を天覧に供している。思いがけなくも天子の御苑にお仕えいたし、うやうやしく天子万歳の春を寿ぎ申しあげる。