
秋日於長王宅宴新羅客
大学頭従五位下山田史三方
白露懸珠日 黄葉散風朝 対揖三朝使 言尽九秋韶
牙水含調激 虞葵落扇飄 已謝霊台下 徒欲報瓊瑤
秋日長王の宅において新羅の客を宴す
白露珠を懸くる日 黄葉風に散ずる朝 対揖す三朝の使 ここに尽す九秋の韶
牙水調べを含んで激し 虞葵扇に落ちて飄る すでに謝す霊台の下 徒らに瓊瑤に報いんとほっす
白露が玉をつらねる秋の日、黄葉が風に散りゆく朝。新羅より使者を迎え入れ、虞舜の音楽をかなでつくす。水の流れは琴の調べとなって注ぎ、葵の花は舞の扇に降りかかる。今ここ霊台の下を去るにあたり、及ばずながら拙詩皇恩に報いるべく。