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懐風藻66
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晩秋於長王宅賓
 従五位下備前守田中朝臣浄足

苒々秋云暮 飄々葉已涼 西園開曲席 東閣引珪璋
水底遊鱗戯 巌前菊気芳 君侯愛客日 霞色泛鸞觴

晩秋於長王の宅において賓す

苒々として秋ここに暮れ 飄々として葉すでに涼し 西園曲席を開き 東閣珪璋を引く
水底遊鱗戯れ 巌前菊気芳し 君侯客を愛する日 霞色鸞觴に泛ぶ

月日は日に日に移り晩秋になった。黄葉は風のまにまに散っている。西の御苑に曲水の宴を設け、東の高楼に詩文の俊才を招かれる。水底に遊魚の鱗が光り、巌前には菊花の香が芳しい。君侯が客をもてなす日、霞の色は鸞の盃に映っている。
by mteisi | 2013-04-01 07:46 | 懐風藻


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