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懐風藻69
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初春於作宝楼置酒
 長屋王

景麗全谷室 年開積草春 松烟双吐翠 桜柳分含新
嶺高闇雲路 魚驚乱藻浜 激泉移舞袖 流声韵松筠

初春作宝楼において置酒す
 
景は麗し全谷の室 年は開く積草の春 松烟双びて翠を吐き 桜柳分って新を含む
嶺は高し闇雲の路 魚は驚く乱藻の浜 激泉舞袖を移せば 流声松筠に韵く

今、金谷の室の景色は麗しく、年は春、草は重なり繁っている。松も霞もともに緑にけぶり、桜や柳もそれぞれ新鮮である。峯は暗くたなびく雲の彼方に聳え、魚は重なりただよう藻の中に跳る。激しく湧く泉のほとり袖を翻すと、水の調べは松と竹に調和する。
by mteisi | 2013-04-05 08:11 | 懐風藻


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