賀五八年宴
従五位上上総守伊支連古麻呂
万秋長貴戚 五八表遐年 真率無前後 鳴求一愚賢
令節調黄地 寒風変碧天 已応螽斯徴 何須顧太玄
五八の年を賀する宴
万秋貴戚に長じ 五八遐年を表わす 真率前後なく 鳴求愚賢を一にす
令節黄地を調べ 寒風碧天に変ず すでに螽斯の徴に応ず なんぞ須ゐん太玄を顧みるを
万世までも栄える高貴な家に成長され、ここに四十の長寿のお祝いを申し上げる。貴賤を問わず、ひとしく迎え入れられ、賢愚ともども、慕い集まって群れをなす。今日のよき日に大地は気候をととのえ、寒風も平穏であり子孫は繁栄している。なんで太玄経などふり返る要があろう。