奉送五叔入京兼寄毋三
李頎
陰雲帯殘日 悵別此何時 欲望黃山道 無由見所思
五叔の京に入るを奉送し、兼ねて綦毋三に寄す
李頎 りき
陰雲殘日を帯ぶ 別れを悵む此れ何れの時ぞ 黃山の道を望まんと欲すれども 所思を見るに由無し
どんよりとたれこめた雲が殘の夕日をもらして、わびしい空模様だ。ここにお別れしなければならないとは、なという憂鬱なときだろう。叔父上が都にのぼられるにあたって、都ちかくの黄山のあたりには、わが友がいることはわかっているが、ここから、いくら眺めても、わが思う友のすがたを見ることができない。