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李白
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早發白帝城
 李白

朝辭白帝彩雲間 千里江陵一日還 兩岸猿聲啼不住 經舟已過萬重山

早に白帝城を發す
 李白 りはく

朝に辭す白帝彩雲の間 千里の江陵一日に還る 兩岸の猿聲啼いて住まらず 經舟已に過ぐ萬重の山

朝早く白帝城を出発したのは、あさやけ雲がまばゆく映えていつときだった。ところが、千里もあるといわれる下流の江陵に、まる一日で到着した。昔の本にもあるように、「兩岸の連山ほぼ欠けた處がなくつづいて重なる崖、たたなわる峰が、天を隠し日を蔽うて、頭の上だけが開けている。正午でないと日が見えず、真夜中でないと月が見えない。白い浪がしぶきする激湍があるかと思うと、蒼く澄んだ淵がたたえ、絶壁には無数の檉や柏が生え、そのあいだに、ところどころ瀑布がかかって流れ落ちている」ところを、つぎつぎに猿の鳴き声が聞こえ、それがつぎつぎに、あとへ、「あとへと飛んで行って、とどまることがない。と、聞いているあいだに、軽い小舟はすでに萬重の山々を通りすぎているのだった。
by mteisi | 2013-09-05 07:24 | 唐詩選七絶


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