越中懷古
李白
越王句踐破呉歸 義士還家盡錦衣 宮女如花滿春殿 只今惟有鷓鴣飛
越中懷古 えつちゆうかいこ
李白 りはく
越王句踐呉を破って歸る 義士家に還って盡く錦衣 宮女花の如く春殿に滿ちしが 只今惟々鷓鴣の飛ぶのみ有り
越王句踐は周の元王の三年、二十餘年の雌伏の後、仇敵の呉の國を討ってその軍を破り、首都蘇州占領し、呉王夫差を自殺せしめて引き上げた。この復讐線に従軍した勇士たちは、恩賞として与えられた錦の衣服を身にまとって、わが家へ凱旋した。越王雨のの都の会稽では、花のような宮女が春の宮殿に満ちあふれていた。今はただ、鷓鴣の鳥が飛びかうばかり。