
送劉判官赴磧西
岑參
火山五月行人少 看君馬去疾如鳥 都使行營太白西 角聲一動胡天暁
劉判官の磧西に赴くを送る
岑參
火山五月行人少なり 看る君が馬去って疾きこと鳥の如くなるを 都使の行營太白の西 角聲一たび動いて胡天暁けん
火山のふもとは荒凉たる熱砂の地で、ときは夏の五月、往き来する人もまれである。君は馬にまたがって飛ぶ鳥のように遠く走らせてゆくのが見える。行く先の安西大都護府は、あのピカッと光っている西の明星の更に西の方にあたっている。角笛の音がひとたび鳴りひびくと、胡地の空があけてゆくのだ。