夜歸、遇懷故人獨孤景略
陸游
買酔村場半夜歸 西山落月照柴扉 劉琨死後無奇士 獨聽荒雞淚滿衣
夜に歸り、遇々故人の獨孤景略を懷ふ
陸游
酔ひを村場に買うて半夜に歸れば 西山の落月柴扉を照らす 劉琨死して後奇士無し 獨り荒雞を聽いて淚衣に滿つ
村の酒場で酔いをもとめ、夜なかになって家へ帰れば、西の山に落ちかかる月の光が、柴のとびらを照らしている。ああ劉琨にも似た君が死んだあとは、世に奇特な志を持つ人物は、いなくなってしまった。私は祖逖と違って、ただ一人、時ならぬ雞の声に耳をかたむけながら、涙は衣をしとどぬらすばかり。