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春晩懷山南
陸游
梨花堆雪柳吹綿 常記梁州古驛前 二十四年成昨夢 毎逢春晩卽悽然
春晩山南を懷ふ
梨花は雪を堆み柳は綿を吹く 常に記す梁州古驛の前 二十四年昨夢と成り 春晩も逢ふ毎に卽ち悽然たり
梨の花は白く、雪が積もったかのように見え、柳は綿毛を吹き散らしていた。梁州の古い宿場の前の風物を、私はいつまでもおぼえている。しかし、二十四年はきのうの夢となってしまった。晩春にめぐりあうたびに、私はすぐ、うら寂しい気持ちに沈んでしまうのである。
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