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又
陸游
故舊書來訪死生 時聞剝啄叩柴荊 自嗟不及東家老 至死無人識姓名
故舊書來りて死生を訪ひ 時に剝啄とそて柴荊を叩くを聞く 自ら嗟く東家の老に及ばざるを 死に至にるまで人の姓名を識るもの無し
古い友人が手紙をよこして、安否をたずねてくれることもあるし、時には来客があって、柴の扉をほとほとと叩く音を聞くこともある。残念なことだが、これでは東隣の老人に、とてもかなわない。かれは死ぬまで誰にも姓名を知られず、浮世の外で生涯を送っていたというのに。
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