
陽關詞三首 中秋月
蘇東坡
暮雲收盡溢清寒 銀漢無聲轉玉盤 此生此夜不長好 明月明年何處看
陽關詞三首 中秋の月
蘇東坡
暮雲收まり盡きて清寒溢る 銀漢聲無く玉盤轉ず 此の生此の夜長へに好からず 明月明年何れの處にか看ん
日暮れがたの雲はすっかりどこかへしまいこまれて、晴れあがった夜空のもとはすがすがしい冷気にみてている。天の川のせせらぎは音もたてず、ただひとつ、玉の盤をまろばし流している。限られたわが生涯、いついつまでもこんな素晴らしい中秋の夜にあえるものではない。この明月を、来年はいったいどこでながめることだろう。