
七月九日自廣陵召還復館於浴室東堂八年六月乞會稽將去汶公乞詩乃復用前韻三首
蘇東坡
東南此去幾時歸 倦鳥孤飛豈有期 斷送一生消底物 三年光景六篇詩
七月九日自廣陵より召し還され復た浴室の東堂に館す八年六月會稽を乞て將に去らんとす汶公詩を乞ふ乃ち復た前韻を用ふ三首
蘇東坡
東南へ此を去って幾時か歸る 倦鳥孤飛豈に期有らむや 一生を斷送するに底物(なにもの)をか消(もち)ふ 三年の光景六篇の詩
[上人は問う]「東南の地へ向かって京師(みやこ)をたたれたら、こんどはいつもどっておいでか」
[わたくしはこたえる]「疲れきった鳥がただひとり飛びまわることですから、予定の期日などあろうはずがありません」
「あなたは、なにをもって生涯の生きがいとしておいでか」
「ここ三年ほどのありさまは、あなたにさしあげた六篇の詩にうたったとおりです」