三之二
藐姑射之山有神人居焉、肌膚若冰雪淖約若處子、不食五穀吸風飮露、乘雲気御飛龍、而遊乎四海之外、
藐(遠)き姑射の山に神人ありて居る、肌膚は若冰(凝ぎょう)雪のごとく淖約(しゃくやく)たること處子の若し、五穀を食らわず風を吸い露を飮み、雲気に乘じ飛龍に御して、四海の外に遊ぶ。
「遙か姑射(こや)の山には神人が住んでいる。肌はかたまった雪のように白く、肢体のしなやかなことは若い乙女のようである。穀物は食べないで、風を吸って露を飲み、雲気の流れにまかせて飛竜にうち乗り、そのようにしてこの世界の外なる世界で遊んでいる。