恵子、謂荘子曰、魏王、貽我大瓠之種、我樹之成、而實五石、以盛水漿、其堅不能自擧也、剖之以爲瓢、則瓠落所容、非不■(口号)然大也、吾爲其無用而■(土を扌培)之、
恵子、荘子に謂いて曰わく、魏王、我に大瓠の種を貽れり。我これを樹えて成り、而して五石を實(み)たす。以て水漿を盛れば、其(すなわ)ち堅(おも重)くして自ら擧ぐること能わず。これを剖きて以て瓢(ひしゃく)と為せば、則ち瓠(かく廓)落として容るる所なし。きょう然として大ならざるには非ざるも、吾れその無用なるが爲めにしてこれをうちわりたりと。
恵子が荘子にむかって話した、「魏の王さまが大きな瓠の種を私に下され、私はそれを植えて実がなったのですが、なんと五石もの量が入るのです。それに飲み物をいっぱい容れたのではとてもたやすく持ちあげられず、それを引き割(さ)いてそれで柄杓を作ったのでは、ぺっったりした浅さで何も入りません。大きいことは本当にばかでかいだが、何とも用いようがないから、私はそれをぶちこわしてしまいました。」—(荘子の主張がおおげさで無用なのを諷刺した。)