十一之二

夫子以爲孟浪之言、而我以爲妙道之行也、吾子以爲奚若、長梧子曰、是黄帝之所聴熒也、而丘也何足以知之、且女亦大早計、見卵而求時夜、見彈而求鴞炙、

夫子は以て孟浪の言と為すも、我れは以て妙道の行と為す。吾子は以て奚若(いかん)と為すと。長梧子曰わく、是れ黄帝の聴きて熒(まど)う所なり。而るに丘や、何ぞ以てこれを知るに足らん。且つ女も亦た大(はなは)だ早計なり。卵を見て時(じ司)夜を求め、弾を見て鴞炙(きょうしゃ)を求む。

先生ご自身はこれをとりとめのない話だと考えていますが、私にはすぐれた道の実践だと思えます。あなたはこの話をどうお考えですか。」長梧子は答えた、「それは黄帝でさえ聞いて惑うほどの話だ。［お前の先生の］孔丘などにそうして理解できよう。それにお前も［これだけに話ですぐれた道の実践だなどと考えるのは、］合点が早すぎる。鶏の卵を見てすぐに暁(とき)を告げることを期待し、はじき弾を見てすぐに焼鳥を求めるようなものだ。