人気ブログランキング | 話題のタグを見る
荘子90
荘子90_c0169176_7563076.jpg

十三
昔者、荘周 夢爲胡蝶、栩栩然胡蝶也、次喩適志與、不知周也、俄然覺、則蘧然周也、不知、周之夢爲胡蝶與、胡蝶之夢爲周與、周與胡蝶、則必有分矣、此之謂物化、

昔者(むかし)、荘周、夢に胡蝶と爲る。栩栩然として、胡蝶なり。自ら喩しみて志(こころ)に適(かな)うか、周なることを知らざるなり。俄然として覚むれば、則ち蘧蘧然として周なり。知らず、周の夢に胡蝶と爲るか、胡蝶の夢に周と爲るか。周と胡蝶とは、則ち必ず分あらん。此れをこれ物化と謂う。
むかし、荘周は自分が蝶になった夢を見た。楽しく飛びまわる蝶になりきって、のびのびと快適であったからであろう。自分が荘周であることを自覚しなかった。ところが、ふと目がさめてみると、まぎれもなく荘周である。いったい荘周が蝶となった夢を見たのだろうか、それとも蝶が荘周になった夢をみているのだろうか。荘周と蝶とは、きっと区別があるだろう。こうした移行を物化(すなわち万物の変化)と名づけるのだ。
by mteisi | 2015-12-09 07:56 | 荘子


<< 吉      朝歌12月8日 >>