萬葉集155
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打蟬等 念之時尒 取持而 吾二人見之 ■(走多)出之 堤尒立有 槻木之 己知碁知乃枝之 春葉之 茂之如久 念有之 妹者雖有 憑有之 兒等尒者雖有 世間乎 背之不得者 蜻火之 燎流荒野尒 白妙之 天領巾隱 鳥自物 朝立伊麻之弖 入日成 隱去之鹿齒 吾妹子之 形見尒置有 若兒乃 乞泣毎 取與 物之無者 鳥穂自物 腋挟持 吾妹子與 二人吾宿之 枕付 嬬屋之内尒 晝羽裳 浦不樂晩之 夜者裳 氣衝明之 嘆友 世武爲便不知尒 戀友 相因乎無見 大鳥乃 羽易乃山尒 吾鯉流 妹者伊座等 人之云者 石根左久見手 名積來之 吉雲曾無可 打蟬跡 念之妹之 珠蜻 髣髴谷裳 不見思者
うつせみと 思ひし時に たづさはりて 吾が二人見し はしり出の 堤に立てる 槻の木の じちごちの枝の 春の葉の しげきが如く 思へりし 妹にはあれど たのめりし 子らにはあれど 世の中を そむきし得ねば かぎろ火の もゆる 荒野に 白妙の 天領巾がくり 鳥じもの 朝立ちいまして 入日なす かくりにしかば 吾妹子が 形見における みどり兒の 乞ひ泣く毎に 取り與ふる 物し無ければ をとこじもの 腋挟み持ち 吾妹子と 二人吾がねし 枕付く 妻屋の内に 晝はも うらさび暮し 夜はも いきづき明かし 歎けども せむすべ知らに 戀ふれども 逢ふよしを無み 大鳥の 羽易の山に 吾が戀ふる 妹はいますと 人之云者 石根さくみて なづみ來し よけくもぞ無き うつせみと 思ひし妹が たまかぎる ほのかにだにも 見えなく思へば
by mteisi | 2015-12-15 08:09 | 萬葉集


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