二之十二
惡成不及改、可不愼與、且夫乗物以遊心、託不得已、以養中、至矣。何作爲報也、莫若爲致命、此其雖者、
惡の成るは改むるに及ばず。慎しまざるべけんや。且夫れ、物に乗じて以て心を遊ばしめ、已むを得ざるに託して、以て中を養うは、至れり。何をか作為して報ぜん。命を致すを為すに若(し)くは莫し。此れ其の難き者なりと。
悪い事は改めるひまもないほど次ぎ次ぎと早くしあがります。慎重にしないであれましょうか。そもそも物ごとのうつりゆきにまかせてわが心をのびのびと自由に解き放し、人の力ではどうぢようもないおのっぴきならないものに身をゆだねて、中正の立場を養っていくのが、最上のことです。何をあれこれのっぴきならないものに身をゆだねて